第2回

企業訪問

2025年4月29日

訪問先

株式会社ありがとうファーム

障がい者福祉

地域活性

芸術

ありがとうファーム：「知ることは、障がいを無くす。」 ありがとうファームは、岡山県を拠点に、就労継続支援A型・B型事業所、自立訓練（生活訓練）、共同生活援助など、多岐にわたる福祉サービスを展開している企業です。単なる福祉事業所の枠を超え、地域社会との共生を深く追求し、障がいを持つ人々がそれぞれの能力を活かし、尊厳を持って生活できる社会の実現を目指しています。彼らの活動は、福祉、文化、地域貢献、そしてビジネスが有機的に結びついた、独自のモデルを構築しています。ありがとうファームの核となるのは、就労継続支援事業です。A型事業所では、雇用契約を結びながら働く機会を提供し、B型事業所では、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業に取り組める場を提供しています。利用者は、ここで職業スキルを習得し、社会参加への自信を育むことができます。作業内容は、彼らの創造性を引き出すアート活動から、地域に密着した飲食業まで多岐にわたります。具体的には、「ありがとう焼うどん」や「ありがとうカレー」といった店舗を運営し、利用者が調理や接客を通じて実践的な経験を積む場を提供しています。これらの店舗は、地域住民との交流の場ともなり、障がいへの理解を深める機会を創出しています。また、自立訓練（生活訓練）「ビリーブ」では、日常生活能力の向上や社会生活への適応を支援し、利用者が地域で自立した生活を送れるようサポートしています。食事や家事、金銭管理といった基本的な生活スキルの習得から、地域資源の活用方法まで、個々の状況に応じたきめ細やかな支援が行われています。さらに、**共同生活援助「グリーンハーツ原尾島」**では、地域の中で安心して暮らせる住まいの場を提供し、生活支援員が日常生活のサポートを行うことで、利用者の地域移行と定着を促進しています。ありがとうファームのユニークな点は、アートと福祉の融合です。利用者が制作した絵画やデザインは、同社の製品パッケージや広報物に活用されるだけでなく、企業とのコラボレーションや地域イベントでの展示を通じて、広く社会に発信されています。これにより、利用者の才能が認められ、社会的な評価を得る機会が生まれるとともに、アートの力で人々の心を豊かにする試みも行われています。この取り組みは、障がいを持つ人々の可能性を最大限に引き出し、社会に新たな価値を提案するものです。さらに、障がい者雇用や復職支援にも積極的に取り組んでいます。企業へのコンサルティングを通じて、障がい者の採用・定着をサポートしたり、精神疾患などで休職していた方がスムーズに職場復帰できるよう支援を行ったりしています。これは、地域全体の多様性を尊重し、誰もが働きやすい社会を目指す彼らの強い意志の表れと言えるでしょう。ありがとうファームは、地域に根ざした活動を通じて、障がいを持つ人々の自立と社会参加を力強く後押ししています。福祉サービス提供にとどまらず、文化活動、地域交流、そしてビジネスが一体となった独自のモデルを展開することで、真の意味での地域共生社会の実現に貢献しています。彼らの活動は、これからも多くの人々に希望と可能性を提供し続けるでしょう。

続きを見る

インタビュー

質問したい内容をフセンに書き出し、「人物」「会社」「事業」の３つに分け、質問内容や順番などを決め、実際に17の質問をインタビューしました。活発な話し合いで楽しく進めていく事ができました。奥野さんは、沢山の分野での経験をもち、穏やかな雰囲気であると同時に一つ一つのことに懸命に努力することのできる「内に秘めた熱い思い」を持っておられる方だと思いました。経験豊富だからこその様々な視点からのお話を聞くことができ、人生の学びがありました。

心に残った言葉

特に心に残ったのは「やりたいことに本気で挑戦する」という言葉です。奥野さんは電気科から音大に進んだり、介護から障がい者福祉の道を選んだりなど、豊富な経験をされてきた方でした。自分で本当にやりたいと思ったことに挑戦し、叶えてやりきるという粘り強く勇気ある経験談は、将来私たちが迷ったり、立ち止まってしまった時に力になってくれると思います。